ゆず塩

スリー・ビルボードのゆず塩のネタバレレビュー・内容・結末

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

【感想】
とりあえず1回見た率直な感想。

中盤までがあまり面白いと感じなかったです。
中盤の署長の件以降は面白く、どうなるのかハラハラしながら見ることが出来た。

自分の映画の見方なんだろう。
開始1時間までで考えていたことって、「早く誰か何か動き出してくれ!?」ってことだと思う。
でも、あまり誰も積極的に動き出してくれなくて……あまり先の展開を期待できなかったのでしょうね。
中盤に起きた出来事は、色々と悪いことが起きそうな予感をさせてくれて。
それが強烈だったから、続きを楽しく見ることが出来た感じ。

怒りが新たな怒りを生み出す、というテーマを手堅くやっててそれは良かったです。

署長が予想以上の働きをしてて、そこは驚いた。
手紙と言うか、遺書系メッセージの強さだとは思うけど。
ディクソンの変化が胸を打ちました。

というか、ディクソンのキャラクターがとても良かったですね。
パッと見、レイシストのクソ野郎なんだけど、署長のために泣いたり怒ってて、その署長の言葉はしっかり聞いたりと。
ただのクソ野郎じゃないのが、憎らしい。
そのうえ、ちょっと頭の回転が遅い感じで。若干弱者なんだよなディクソンも。
あまり他人に見えなかったな……。
ディクソンを信じていた署長がいて良かったな、署長からの言葉があってよかったな、と心から思いました。
というか、ディクソンが主人公だと思うのだが、どうだろうか?

署長の遺書によって変化したディクソンと、ディクソンの行動を起点に変化するミルドレッド。
彼らの怒りが留まるかもしれない……。
解釈を観客にゆだねたラストは、作品の落し所としてキレイだったな。
ゆず塩

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