怡然じらく

スリー・ビルボードの怡然じらくのネタバレレビュー・内容・結末

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

怒りが主人公を、そして周りを焼き尽くしていく。
みんなすぐに行動に移したり態度に出すのでなおさら火が燃え広がっていく。
19歳動物園女と広告店受付嬢、主人公の友達がその世界からちょっとはみ出ていて、癒し枠だった。

鑑賞している間に、登場人物に対して何度も善悪の判断をしていることに気づく。「この人は悪い人。サイテー」「この人は良い人。よかった」と台詞や態度だけで認識していた。
私は日常の中で、友人や同僚、そしてテレビに出ている芸能人に対して、そのように判断を繰り返し返しているのだろう。でも人間は、そんなに簡単に分類できなくて、たぶん周囲に見せない自分の方が多くて。
決めつけって怖いなと思わされる。多角的に見れていないうちは、判断とかはするもんじゃない。というか理解するというのはそもそも無理な話で、理解したいという姿勢を示すのが精一杯なんじゃないだろうか。

主人公も自分が持っていた偏った視点に気づき、自分の行動があらゆる人を傷つけたことを知る。
そして最後のシーンでは、怒りで焼かれるばかりではない人生が示唆されていて、この先の未来にほんの少しの希望が見えた。
怡然じらく

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