ばし

スリー・ビルボードのばしのレビュー・感想・評価

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)
4.0
いや〜考えさせられる…
ミズーリという実在する州の中の架空の町エビングで起こる事件の「その後」の物語

見た人によって受ける印象が変わりそうな"写し鏡"のような映画
正しい事は決して良い事ではなく、また正しくない事もまかり通ってしまう現実に警鐘を鳴らすかのような劇薬

役者陣の演技はもうすごいの一言
主要3人はもちろん、息子も奥さんもその人物にしか見えないリアリティだった。特に奥さんの体型が変わった所は、その背景を想像せずにはいられなかった

いつの出来事なのかわからない(2010年以降なのはわかる)、架空の町で起こる架空の事件、すべてがフィクションのはずなのにこんなにも現実を感じるのはなぜなのだろうか?そういう意味でもまさに現代の寓話とも呼べるような内容
南部色の強い土地での差別、イラクの爪痕や教会の不祥事など思わず実際のニュースと結びつけてしまう出来事を散りばめながらも、その中でどう生きていくのか、そんな社会に対して自分達はどのような立ち位置でいるのか。まさにこの映画こそが3人の主人公から提示された「スリービルボード」であり、ミズーリ州エビングの外側にいる自分達に向けた強烈なメッセージなんだ
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