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スリー・ビルボードのmykrのレビュー・感想・評価

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)
4.7
傑作でした。
比べるわけではないけれど、昨年の『マンチェスター・バイ・ザ・シー』を見た時と同じような感覚、気持ちになった。

物語がどのように進んでいくのか読めなくて先の展開にドキドキし、後半は涙が止まらなかった。
隣の隣に座ってた男性は、笑い所じゃないところでもなぜか鼻でずっと笑ってて意味わからんかったけど。116分間、鼻で笑うときにフンッて鼻から出る音がずっとうるさかった…クスッとくるようなシニカルなジョークはあっても、笑う映画ではない。

来月発表のアカデミー賞助演男優賞にウッディ・ハレルソンとサム・ロックウェルの二人がノミネートされているけれど、サム・ロックウェルは絶対に助演男優賞を獲ってほしい。いや、獲ると思う。獲るべき。
あとやっぱりフランシス・マクドーマンドがすごかった。女優というか、もはや本当にこんな経験があるかのよう。別次元。この人も主演女優賞獲るのでは。獲るべき。

辛くてどうしようもない受け入れたくない現実を、どう受け入れて日々を過ごしていくのか、それは人それぞれだし、自由だと思う。煮え滾る悲しみと怒りと悔しさが交差していて、どの感情に身を任せるかも人それぞれ。
登場人物みんな人間味に溢れていて、人間臭くて、どのキャラクターも憎めない。人間ってこういうものだと思う。まさに私の好きなヒューマンドラマ。

「道々決めればいい。」というセリフが今の私にはじんわりと響いた。
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