MasahideYoshida

スリー・ビルボードのMasahideYoshidaのレビュー・感想・評価

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)
3.8
2017年公開
監督 : マーティン・マクドナー
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アメリカの片田舎で起きた凄惨な殺人事件に端を発した、遺族と警察の人間模様のお話。

人は人に「自分が思う望ましい”その人らしさ”」を投影してしまうのだという偏見の物語。犯人が捕まらない被害者の母親は警察署長に「怠慢に違いない」と投影する。未だに黒人差別は横行し、マスコミは印象で報道を繰り返す。で、その偏見のワナにこの映画を観ている観客自体も絡め取られて、劇中に何度もその「偏見」と「それがただの思い込みでした」というひっくり返しを食らう。そういう映画。母親の犯人への復讐劇とか、そういう分かりやすいお話を期待してみるとすごい、フラストレーション貯まるやつですねこれw 玄人好みな、脚本が頭いい感じの人を食った映画なので、そういうの嫌いな人はやめといた方がいいと思いますw

役者の皆さんの演技はさすが。でも、観る人の感情移入を「裏切る」設計になっている映画なので、そういう気持ちの良さはないかなあw