これまた秀逸な作品に当だったという感じ。
いろんな評価ありますが、
私はそもそも不倫=悪であるという短絡的なものの見方しかできない社会通念の方が問題かと。感情なんかどう変わるかわかりませんから。
人はみな、置かれた立場で生きていて、
花開く人もいればそうでない人もいて。
いろいろもがいて苦しんで、
ないものをねだったり、そんな状況でたまに願っていることが近くに来ると感謝が倍増したり。
シングルマザーのピナが、女として、母親として、どう生きるかの心の迷いもすごく表現できていたし、イゴールの感情の揺れも非常によかった。
こうでなければならない、
この社会で生きていくためにはそうであれ…的な倫理観という大きな壁が、
欲というものをある程度制してはいるんだけど、本当にそれでいいのか、本当に自分らしく、人間らしく生きられているのか?という問いかけがあったように思う。
子どものお遊戯の内容があまりにも清らかで純粋なものであり、そういう生き方だ正解だと子どもの頃から刷り込まれる。
その場面と並行して大人たちの運命にあらがう場面がある。
イゴールの妻が事故死したこと、
2人が結ばれた後の、朝の日差しの爽やかさのギャップが印象的。
かなり哲学のバイアスが強い映画。