好みの映画。多くを語らぬ主人公。町で起こった出来事に口をふさぐ地元の人々。オーストラリア映画といえば大味なアクションと大雑把な描写に終始するイメージがあるが、この映画はちょっと違う。
劇中ではほとんど音楽が流れない。そこが渋い。
ストーリーの局面が切り替わり、新たなステージに進むとき、
空撮とあわせて無機質で渇いた音楽が流れる。
この音楽がカッコよく聞こえてくる。狙ってやっているのならばかなりセンスがいいだろう。
主人公の影のある演技も見慣れてくるし、なにせ潜入捜査官役のヒューゴウィービングが訳あり男をしたたかに演じている。
ラストの銃撃戦も渋い。
結末のカットはなんとも抒情的だ。
そこに言葉はいらない。