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レッド・エージェント 愛の亡命/愛の亡命のsatchanのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

冷戦時代のソビエトで、時代に翻弄された男女の物語。スターリンの反体制派だった両親を殺されたために、アメリカのスパイとなったカティヤ役をレベッカ・ファーガソンが演じてます。物語の途中で、カティヤの姪ローレンもレベッカ・ファーガソンが演じていることに気づきました。髪型と服装が違うので、別人のようです。絵に描かれているカティヤも美しく、素敵な女優さんですね。

カティヤを置き去りにて亡命してしまったことを悔やむサーシャ役は、ソビエト時代の若者役をサム・リードが、ロシア連邦になった後の老齢紳士役をチャールズ・ダンスが演じてます。チャールズ・ダンスは、先日見た『007/ユア・アイズ・オンリー』で若々しい姿に驚きました。『イミテーション・ゲーム』にも出ていた模様。

街灯が理路整然と並ぶ夜の風景が美しく、ロシアって、こんなに綺麗な街なんだ、と思いましたが、撮影はセルビアのベオグラードのようです。確か、クレムリンも映っていました。雪がハラハラと降り、出演者が温かそうなコートに身を包んでいて、遠い異国の様子を思い描くことができる作品です。カティヤも、サーシャも、ミーシャも、幸せからは程遠い人生を歩んできたことが、表情から窺い知れます。気持ちに正直に生きたために、悲しい運命を辿ってしまった人たち。スパイという立場はどう考えてもヤバいけれど、世渡り上手な人とは、真逆の立ち位置をとる人たちなのかもしれませんね。悪が蔓延るエンディングより、正直者がバカを見る方が感情移入できる自分に気づきました。
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