『読書会』という響きは知的でお上品なイメージを醸し、そこに秘密と付いたら何やら観なくては...と以前から気になっていた作品をようやく。
1941年、ガーンジー島(イギリスで唯一ナチス・ドイツの占領下にあったチャンネル諸島の一つ)で夜間外出禁止令の中、住民が兵士に咎められて咄嗟に言い訳したのが『読書とポテトピールパイの会』だった。その後も免れた仲間で集まり心を通わせていたのだった。
【因みに"ポテトピールパイ"とは、戦時中に小麦粉もバターも無い中、ジャガイモとその皮だけで焼いた不味いパイのこと】
その5年後、ロンドンで暮らす作家のジュリエットの元に一通の手紙が届く。それはガーンジー島の読書会のメンバーのドーシーからで、手にした古本にジュリエットの住所がメモられていたからであり、同じ作者の他の作品を教えて欲しいと書かれてあった。
作家のアンテナが立ちまくる。
島の読書会の記事をTIME誌に書こうと取材で島へ出向いたジュリエット。
そこでドーシー他メンバーに会い親しくなる中、ある秘密を知ることになる。それはナチス絡みの許し難い話なのだが...
ジュリエットは島へ渡る直前にアメリカ軍人の恋人からプロポーズを受けていたが、島で暮らすうちに気持ちに変化が起きていく。
ジュリエット(リリー・ジェームズ)に関わる3人のイケメンの対比が良かった。
・ジュリエットの幸せを願う編集者シドニー(マシュー・グード)
・裕福な婚約者マーク(グレン・パウエル)
・島の貧しい酪農家ドーシー(ミキール・ハースマン)
ミステリーからラブストーリーモードに変換されるラストはベタになってしまったけど、ロンドンの都会と戦争の傷が癒えない田舎の島の温度差が上手く表されていた。
他のキャストもイギリス俳優が揃っていて、雰囲気がいかにもイギリス映画で楽しめました。