リッジスカイウォーカー

ブリグズビー・ベアのリッジスカイウォーカーのレビュー・感想・評価

ブリグズビー・ベア(2017年製作の映画)
3.0
最初マーク・ハミルが出てきたんで、なんかよくわからんSFか?と思ったら誘拐犯でビビった。

いや、ホント、マーク・ハミルはちょい役しかないのよな…。残念。
しかも今回の役柄もクソ野郎すぎて残念。

しかし、誘拐した子どもが青年になるまで作り続けてきたこの「ブリグズリー・ベア」のコンテンツ力とマーク・ハミルの頭脳どうなっとんのや??とツッコミどころは満載であるけど、話の本筋はそこではないので、いろいろと言いたいことはグッと飲み込みます。


赤子の頃から誘拐されており、人間社会のほぼ全てを知らない主人公がここまで知能と探究心を持って行動できるのって、マーク・ハミルとその妻役?の人の子育てが逆にすごくないか??と思ってずっと観てた。


もちろんこれから本当の両親と、姉と、友達とで人生は紡がれていくのだろうけど、三つ子の魂百までじゃないけど、この圧倒的な「ブリグズリー・ベア」というコンテンツに支配され、ある意味洗脳された主人公にとって、この先の世界を普通に受け入れていくのは難しいんだなと思う。

結局どんなに別の道を進ませようとしても、創作力を身に付けさせたのは偽の両親であり、それを尊重して受け入れていくしかないという選択をした本当の家族&警察、そして周りの人たちは、その誘拐犯が考えた創作物を簡単に拍手喝采しちゃっていいの??

誘拐されたことを悲観的ではなく肯定的受け止めて、良かったじゃん😊

で済ましちゃっていいの??


たしかに映画を観ている間は、これで良かった良かったって思えるマジックがあるけど、冷静に考えたら、怖い世界だなと思う。


クレア・デインズだけが、現実的目線でしたね。
(めちゃくちゃ老けたおばさんになっていて、正直痛烈なショックを受けたです。。時の流れとは怖いものですなぁ。。)


でも彼の人生の全てである「ブリグズリー・ベア」を尊重しなければ、彼の人生の未来はないのだからしょうがないのかもしれない。

そうするしかない、という解くことのできない洗脳をしたマーク・ハミルたちの罪は重いが、その点はこの作品では論じる機会すら与えない作風になっているので、そこがモヤモヤして仕方がなかった。

だったら別に「赤子から青年まで誘拐されて監禁されていた」という重いプロットはいらないと思うんですよね。


誘拐監禁映画の名作と思っている「ルーム」を観ているから思うことなのかもしれないですが、こんな軽くなるわけないよ…


評価が絶賛の嵐で、それにも違和感しかないなぁ。。