山ほどツッコミどころはあるけれど、不思議と引っ掛からず、そういったところもぜんぶひっくるめて愛せる。バランスが良く、心の憑き物が少し軽くなる映画。
どのキャラクターも気分が悪くなるような邪気を発してない、というのが良かったのかもしれない。
悔しさ、とか、憎しみ、といった材料を使えば、映画内の感情をブーストできるような環境設定だろうし、それを使うのがストーリー上、自然な流れな気もするが、そこにはいかず、キャラクター全員に愛情や優しさが詰め込まれている。
愛情、優しさ、とだけ書くと、「なんだ、キレイごとかよ。さむ。」と思う人もいるかもしれないが、そういう人には「キレイごとを使って、映画が変に説教くさくならないようにバランスをとるのは、とても大変なことなのだぞ。」と優しく諭したい。
この映画は変に説教くさくならず、バランスが取れている。
