宵闇之闇猫

ブリグズビー・ベアの宵闇之闇猫のネタバレレビュー・内容・結末

ブリグズビー・ベア(2017年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

今までの世界の全てが、ほんの些細な一つで壊され、
本当の世界が露見する。
「ルーム」に似たストーリーながらも、ジェームスの幼さ、特異性は反比例するもの。

最後の方で分かる事だけれど、ジェームスが赤ん坊の時に誘拐されたという事実が、
本当の両親達の25年間の苦しみや怒りに直結、イコールで結びつかない事が映画的に絶妙。

ジェームスの25年間全てが「ブリグズビーベア」であり、それこそが希望であり、光であり、支えだったという事。
それが本当の世界からどれだけ異質でも排除してはならない。

それを排除するということは、
25年間生きてきたジェームスの全てを存在意義さえも否定する事に直結しかねないから。

だから、少し異質であってもスペンサーやヴォーゲル刑事、オーブリーのように譲歩してあげる事が、救いであり、共存への一歩なんだろうなぁとしみじみ。


自分の世界の全てであるブリグズビーベアの続編を、自分で作る事で、自分の信じるものと今までの自分を外の世界と見比べてみて、受け入れようとする事が、
この映画の肝かな?なんてボヤボヤと考えてた訳だが…。

結果的に、続編を外の世界の仲間達と作り、成功した(別に失敗でも結果は変わらない)事で、
世界に認められ(受け入れられ)、自分も世界を認めた(受け入れた)。
だから、この先はブリグズビーベアは確かにジェームスの一部だろうけど、もうブリグズビーベアに頼らなくても良いねと(いう意味も含めて)思わせるように、消えたんだなぁと。
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