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アルカディアのoimoのネタバレレビュー・内容・結末

アルカディア(2017年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

どういうストーリーなのかジャンルなのか知らないまま鑑賞したけどかなり好みのタイプのコズミックホラーだった…!



”人の感じる最たる恐怖は
未知なるものへの恐怖である”

ラヴクラフトによる冒頭引用文に本作の全てが要約されている。
本当に何も分からず全てが未知なまま終わるので、謎を謎として楽しめない人には向いてない作品だけど、起源や物理的な撃退方法がある悪魔系やモンスターパニック系なんかより何倍も怖いのでホラーとしては大成功してると思う。
カルト集団に対する警戒心から来るヒトコワを謎の現象が生じさせる不気味さが徐々に侵食して行く怖さのレイヤード構造が巧み過ぎる。
謎に満ちた宇宙の深淵を感じさせるSF的恐怖を人里離れた荒野の小さなコミュニティの中だけで描いて完結させるスケール感も丁度良いし、その中にもの凄い悪人や無意味に波風立てて喚き出すような人物が居ない、在るのは謎の超常現象だけっていう無駄の無さもシンプルで良い。
そこに乗っかってくる兄弟関係の色々…
兄に支配されていること、というより、兄に信頼されていないことが辛かった弟、というね…。不仲に見えて実はBIGLOVEのベクトルがお互いを向き合っているっていうのが分かるラスト、本当に良かったですね…。

ここは必要だったんか…?と感じた薬物依存で銃マニアの男とその友人のくだりはまたそこだけで独立した作品が一本あるようで…後日そっちも鑑賞してからもう一回本作を観返したいな。

とにかく最初から最後まで面白かったし、大好きなのにあまり出会えない『アナイアレイション』や『カラー・アウト・オブ・スペース』的な怖さを真面目に描ききってくれていて、大満足でした!




監督の名前が主役の兄弟二人と同じジャスティン&アーロンで、ん???と思ってよく見たら監督脚本兼主演をされていて、嬉しい発見のあるエンドロールに思わず笑顔になりました🥔
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