すず

アルカディアのすずのレビュー・感想・評価

アルカディア(2017年製作の映画)
3.5
共同生活を送っている集団『キャンプ・アルカディア』から脱出した兄弟2人が、10年の時を経て、なにか不思議な因果に導かれるようにそこに戻ってくる。

キャンプの内部は、穏やかな人々がそれぞれの役割を持ちながら悠々自適に生活している。これはカルト心理やら、脱洗脳の苦闘を描くような展開にいくかなと勘繰りながら、穏やかで物静かな展開を眺めていく。

暫くすると、何か不穏な”影”が空や大地に存在して、キャンプの人々に干渉していることに気づく。今作は、超自然的 SFミステリー・ヒューマン作品。

摩訶不思議な土地で、キャンプの人々が抱える秘密やカルトと称されるイワクも、観ていくと少し物悲しく感じられ、異次元的に展開していく物語も、そこに身を置く人々の心理描写も中々見ものであった。よく作られていて面白かった。

「ここにいれば 記憶なんて意味のないものさ。とにかく歴史は繰り返す 壊れたレコードみたいにね」
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