にくそん

ワンダーウーマン 1984のにくそんのネタバレレビュー・内容・結末

ワンダーウーマン 1984(2020年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

ドルビーシネマで観た。アクション気持ちいいな! 特に冒頭、故郷の島で行われるSASUKE風の競技が面白い。レース中に選手が流鏑馬の要領で的を射抜くと、それぞれ割り当てられた色の狼煙が上がって、それ見て旗振って知らせる役がコロシアムにいて、それを見張ってる役の人が各色の垂れ幕で観客に途中の順位を知らせてっていうシステムも含めユニークで、なんかすごくわくわくした。後半のはもう人間離れしすぎて逆にこっちのテンション落ち着いちゃうとこある。

しかし、あちらのヒーローものを観るたびに毎回、こんなに暗い展開になるものだっけと思ってしまうなあ。私の認識のほうを改めよう。過ぎた欲望を抱くより、身の回りにある幸せを大切にしながら慎ましく生きよ、みたいなストーリーだったけど、WW84でそういうお説教を聴くと思わなくて、ちょっと面食らってしまった。

それでもスティーブとダイアナの決断のところはせつない。スーパーヒーローってみんなのために身を粉にして働いてる(?)のに辛いことばっかりでたった一つ何か願っても許されなくて、私なら絶対に闇落ちするわ。

闇落ちといえば、わからんのがバーバラ。そんなことでチーター化するかね。嫉妬で女を激しく憎む女を私はもう見たくないんだよな。女だって美人が好きだと思うよ。“羨ましいな”とか“憧れちゃうな”っていう気持ちが、すぐ“憎たらしい”に結びつくと思い込んでいる作り手の思考回路が謎。ガル・ガドットとクリステン・ウィグは現場でよくオリジナルの歌を適当に作っては仲良く歌っていたらしく、そのメイキングのほうがよっぽど見たい。

ペドロ・パスカルの取りつかれたようなお芝居はよかったなあ。ストーリーはパタリロにこんなのなかったっけって感じだけど、実写映画で生身の俳優が演じる狂気って迫力。充血した眼とか、耳から出た血をぐいぐい拭いて笑ってるのとか、生々しくて。
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