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ワンダーウーマン 1984のTaiRaのレビュー・感想・評価

ワンダーウーマン 1984(2020年製作の映画)
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公開延期重なって不憫だったが、嘘に溺れて暴動が起きる光景を今朝方見たばかりなので、逆にタイムリーだったかもしれない。

80年代を扱う作品が乱立した数年間だったけど、この感じをやったのは少ないかも。80'sのダサさをそのまま踏襲するスタイル。今、大作映画で『コマンドー』を真似る思い切り。大統領選の前に公開するはずだったのを考えればトランプ時代のモチーフ転用は理解出来る。ただ、答えありきの象徴ほどつまらないものはないよな。とにかくヴィランのドラマを丁寧に作って欲しかった。パティ・ジェンキンスの『モンスター』と『バットマン リターンズ』のキャットウーマンをベースにしたクリステン・ウィグの役とかもったいない。どっちのヴィランも掘り下げようによっては面白くなるのに。アクション要素を減退させたのは、監督の資質的に合ってないので正解。前作もそうだったけど、今回もアクションやストーリーは雑だがロマンティック・コメディとしては最高というバランス。ガル・ガドットもクリス・パインも、二人のシーンではやたら可愛く見える。クリストファー・リーヴの『スーパーマン』シリーズをなぞったテイストはずっと求めてたもの。DC映画黎明期に原点回帰するのが良かったし、ガル・ガドットのワンダーウーマンでなければあの飛び方は出来ないと思う。別れのシーンから飛翔までは120点。結果的にめっちゃ歪な怪作。今作のヴィランを次作にも登場させようとしてるっぽいが、それはやめた方が良い。
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