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ワンダーウーマン 1984のマングースOLのレビュー・感想・評価

ワンダーウーマン 1984(2020年製作の映画)
3.4
🖋あらすじ
前作での戦いから66年後、欲望と世情不安が渦巻く1984年のアメリカ。ダイアナはスミソニアン博物館で働きながら、一方で正体不明のヒーローワンダーウーマンとして悪と戦い続ける日々を送っていた。ある日、奇妙な「石」が博物館に届けられる。同僚である鉱物学者バーバラ・ミネルヴァの鑑定では紛い物と思われたが、台座にラテン語で「何でも一つだけ願いを叶える」と彫られており――。

「 私はダイアナになりたい 」

🖋一言コメント
期待以上でも期待以下でもなかったな、という感想。退屈に感じたが、期待値が高かったためむしろ及第点の続編を作ってくれたことに感謝しなくてはならないだろう。

🖋感想&考察 ⚠️ネタバレ注意⚠️
スティーブのことが忘れられないダイアナの表現は、個人的には彼女の「人間らしさ」が感じられて好きだ。全てを世界に尽くしてきたけど唯一望んだの、と訴えるシーンは素直に共感したし胸が痛かった。彼ときちんとお別れすることは、今作において大きな意味があったと思う。
ただ、やはりこのご時世に及んで「願いの叶う石を巡る戦い」というテーマがやや古い。展開にどこか既視感があると思ったらアレだ、ディズニー映画の「アラジン」だ。ダイアナの願いが叶った時点で「あ、でもこれいずれは自分で決断して捨てなきゃいけないやつだ」と悟ってしまったし実際にそうだから目新しさがない。
全世界に語りかけて「願いを取り消す」と言わせるのもちょっと違和感があるというか、あの規模のことが起こってハイ嘘でしたでは済まないだろうと思う。おまけに後半の突風と謎の光も「何が起こってんの!?」と思わず聞きたくなるほど原理が不明。
そしてダイアナの能力もかなりご都合主義で、ステレス機能やら空飛べるやらもう滅茶苦茶である。(それはスーパーガールでは……?)

恐らくは、スティーブとダイアナののきちんとしたお別れを書きたくてこのシナリオを描いたのだろうか? と感じた。ああいった形で恋人と別れては、きっとこの後ずっと苦しみ、真実から目を背けることになってしまうだろうから、ダイアナ自らの選択で真実を選択させたかったのかもしれない。そういった意味ではこの映画は成功だったと思うが、突き抜けるためにはもう少し捻りが欲しかった作品。