悪魔の毒々クチビル

ワンダーウーマン 1984の悪魔の毒々クチビルのレビュー・感想・評価

ワンダーウーマン 1984(2020年製作の映画)
2.8
願い、叶えます。

ドリームストーンなる魔法の石の力で愛するスティーブが甦るも、これまた石の力で自らをドリームストーン化させた経営者や超人的な身体能力を持つヴィランへ変貌した同僚が立ちはだかるお話。

前作が良くも悪くもガル・ガドットの魅力のみで成り立っていたのでそんなに期待していませんでしたが、いやぁ、これはちょっと……

良かった所が前作同様、ガルのカリスマ性くらいだっただけでなく内容は更に雑でグズグズになっていました。
まずスティーブの生き返り方なんだけど、これがちょっと予想外というか。何て言ったらいいのかな。他人を上書きしている感じなんですかね。
で、それをスティーブ本人やダイアナも分かっているのに気にせず喜んでいる有り様に違和感がありました。そりゃ嬉しいだろうけど、代わりに赤の他人の人生を無かったことにしてしまった訳で。この時点で「なんだかなぁ」と、早い段階で冷めてきてしまいました。

あとこれは結構指摘が多かったヴィランの地味さ。
ぶっちゃけチーターの見た目に関しては言われている程ダサくはなかったと思いますが、別に能力やキャラに魅力があった訳でもないのでプラマイゼロかな。というか終盤に装着したワンダーウーマンのゴールドアーマーの方がクソダサだったので、あまり気にならなかったのかもしれませんね。
もう一人の石人間と化したマックスも言ってしまえば只のおっさんだし、終盤の世界中の人間の願い叶えたるわ!なシーンも無計画過ぎて失笑ですよ。
ここもさ、あらゆる人間の願いが一定期間叶えられたと思うんだけど、綺麗に簡略し過ぎなのよ。
誰かの生死を左右する願いだったり、何だったら「こんな世界無くなればいい」みたいな破滅的な願いって絶対あると思うんですけどそこを細々やっていたら映画そのものが破綻してしまうので、あんな適当なシーンになったんだろうけどだったらあのくだりはやらない方が良かったです。
そんなにダイアナの演説を入れたかったのか。
でもこの薄っぺらい展開のせいで特に響かなかったよ。人間はもっと醜い一面を潜ませているんだよ。

「ここがもうちょっと○○だったら多少良くなったな」じゃなくてこの内容で製作した時点で失敗だったんじゃないかと思います。
あ、ラストのリンダ・カーターへのリスペクトシーンは良かったです。

それにしてもDCEU自体、ネガティブなニュース多いですよね。
エズラ・ミラーは繰り返し逮捕され、「アクアマン」公開当初はその美貌が話題になったアンバー・ハードも今では虚言癖脱糞美女と化し、ベン・アフレックもリハビリで抜けたり戻ってきたりで。
もうアメコミ映画は全部主演キアヌ・リーブスにしておけば良いんじゃないかな。
逆に今のところ問題ないヘンリー・カヴィルは黒人版スーパーマンを製作したいからなのか、全然出番無いし。
最近だと撮影が終了していた「バットガール」をお蔵入りさせた事が話題になっていましたか。こっちはクオリティの問題だったか。
まぁMCUでもVFXアーティストが壮絶なブラックぶりを告発していたりと、アメコミ映画界そのものがハチャメチャな状態ですね。
そりゃ作れば大ヒットはほぼ確実だからポンポン作りたくなるだろうけど、個人的にはもっと抑えて良いと思うんだけどな。