てる

ワンダーウーマン 1984のてるのレビュー・感想・評価

ワンダーウーマン 1984(2020年製作の映画)
4.1

面白かった。
話がかなり大きなスケールだったし、ファンタジー要素もあり、エンターテインメントとしてはかなり楽しめた。
ワンダーウーマンシリーズは2作とも当たりだったね。

なんでも願いが1つ叶う不思議な石。ただし、代償が必ずあり、その願い事の大小で、代償も大小ある。
"猿の手"と一緒だというセリフがあったけど、海外にも知られてる話しなんだね。元々はどこの国の話しなのかもしれないけど、そういう伝説というか都市伝説があるのは知っていた。なので、今回の不思議な石の設定はすんなり受け入れられた。
甘い話しには必ず裏があって、なんでも願い事が叶うなんてのは、あまりにも胡散臭い。やはり、願い事は誰かに叶えてもらうのではなく、自分自身で叶えなくてはならないのだ。

でも、絶対に叶わない願いを叶えてもらうならどうだろうか。失ってしまった大切な人と再び出会いたい。そんな願い事が叶うなら願いたい思うのは、誰もが望んでしまうものだろう。ましてやダイアナの状況を鑑みるとそう願ってしまうのは致し方ないことだ。
彼女は年を取らない。そのため同じ感覚で時間を共有する人はいない。いかなる理由かは明言されていなかったが、きっと世を忍びながら暮らしているのだろう。
その彼女に唯一愛した大切な人が現れる。しかも、代償はスーパーパワーだ。ダイアナはそのまま普通の人間として生きていけるかもしれなかったが、彼女はそれを選ばなかった。彼女は人類を救うことを選んだ。
愛する人を失い、人類の守護者として生きることを選んだ彼女の心情はいかなるものなのだろうか。なんだか、ノスタルジックな気持ちにさせられた。

しかし、最後に人類を救ったのは1人の少年の父親に対する愛だったってのがエモい。いくらスーパーパワーを持ったワンダーウーマンでも神の力には勝てなかったわけで、人類が始めた暴走は人類の手で止まらせるというのがなんとも良かった。ワンダーウーマンが全てを解決してしまっては、あまりにもチープすぎる。そこがよかった。
ただ、人間の欲というのは怖いものだよね。誰もがその欲に忠実に生きていたなら、人類は容易に滅んでしまう。やはり、思い遣りって大事だよね。イッツ・ア・スモールワールドだね。
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