140字プロレス鶴見辰吾ジラ

RWBY Volume4の140字プロレス鶴見辰吾ジラのレビュー・感想・評価

RWBY Volume4(2017年製作の映画)
4.2
”ジェダイの再生、もしくは新たなる希望”

ついに700レビューに到達しました!!

節目は自分の大好きなRWBYシリーズに捧げます。

vol.1の荒削りながらワクワクするアクションと可愛さの追求、vol.2の爽快な学園モノ、友情モノ、そしてアメコミヒーローへの萌えアニメとしての答え、そしてvol.3でその萌えを自ら破壊し、分断させ新たなる物語に足を向けさせた。

vol.3の敵軍の攻撃により本来望んでいた笑顔が曇り、ドロドロに崩され、断ち切られる様の熱量にやられ2016年の年間ベストTOP7に勢いで入れてしまったほど。

当然、気持ち滾りながら今度こそは劇場でRWBYの世界に浸りたいと満員の川崎109シネマズこと”RWBYの館”へと向かったわけであります。

まずRWBYシリーズ自体が3DCGで作り上げたアクションアニメーションで、日本のアニメの影響をかなり受けているもののインディサーキットの創作物ゆえのパロディ、オマージュの怒涛性にとことん惚れ込んだわけです。

アイツらどんだけ好きやねん!
「スターウォーズ」に
「X-メン」シリーズに
「アベンジャーズ」に…

まず日本文化とアメリカ文化の比較を娯楽作から観察できるものいいですね。建国以来、古来からの神話のないお国柄から湧き出る「スターウォーズ」信仰のような象徴性。”人種の坩堝”たる多様性のごった煮が生み出す人媒体のカースト制。憲法にも明記された国家に対して革命する権利から繰り出される狂ったような銃社会とやたらめったら武器のギミックに銃を仕込んでくる徹底性。それをアクションという熱量の流動性をひたすら叩き込む気迫とインディならではの各種大作映画からマニアのツボをつくカルトチック映画までパロディ、オマージュのごった煮となった身分不相応な哲学のきらめきが、かくしてオタクたちの心を鷲掴みにしたのだと感じております。

今作vol.4は前作で完膚なきまでに日常を破壊され、戻せない時間への宛てのない追憶や焦燥感を抱えながら、子どもから大人へと大人の壁に触れながら成長していく様を描いています。

戻せない時に焦燥感を抱く者
戦場で肉体的にも精神的にも欠損してしまった者
自らの災い性に折り合いがつけられない者
籠に囚われた者

大人への階段は、決して階段ではなく崖かもしれない。大人たちには子どもの力では敵わないかもしれない。失ったモノは決して戻らないが、目の前の道は延々と続き、いかなるときも選択を迫られる。引き帰す道は限られるが、目の前の選択肢の限りなさに希望の火を再び灯し、失った者たちでなく、今存在する者のために生きようと決意する様に再生の熱量が溢れていました。

9・11のような未曾有なテロ事件や身近に発砲事件や戦争の存在があるお国柄だからこその再生を誓う者たちの熱量に気持ちが震えたわけです。

今作から登場したオスカーくんのルーク・スカイウォーカーを模した農村から選ばれた者の活躍を期待しつつ、ラストカットがライトセーバーをオマージュしたかのようなキレッぷりに思わず笑ってしまいました。

細かいディテール含め、あれやこれやのごった煮に「ジョン・ウィック」やエドガー・ライト版の「バトルシップ」みたいなギミックやISISからオウム事件まで普遍的になりつつあるテロリズムから似非ミスティークやら何やら、好きなもののごった煮感が、メジャーへの対抗心に燃ゆるインディシーンから眺められるのは極上の快楽と思った次第です。

vol.5は約束の地となるのでしょうか?

楽しみ!楽しみ!


ブレイクたん可愛すぎてぶたれたい…