Kコース

007/ノー・タイム・トゥ・ダイのKコースのレビュー・感想・評価

3.0
部分部分で好きな点は多かったが全体的には少し微妙な印象が残った。
味方陣営は非常に魅力溢れる人物が多かった。ボンドは勿論ひたすらにかっこいいしパロマもすごくセクシーで可愛かった。Qとボンドの掛け合いもいつも通り面白く、新007として登場したノーマもほどよく優秀で話す台詞も笑えるものが多かった。
しかし敵であるサフィンにはほとんど魅力を見出すことができなかった。冒頭にとった行動は意外なもので面白い悪役になるかと期待したのだが、その行動から始まったマドレーヌへの愛とブロフェンドへの復讐心、そしてサフィンの最終的な目的の間には繋がりが無いように思えた。畳の上でボンドと会話するシーンでは抽象的なことばかり言っていて具体性に欠けていた。
キャラクターとは別に全体的なシナリオは可もなく不可もなくといった印象。任意の人物にしか効かない細菌兵器の設定は斬新ではあったがそのバラし方が唐突であっさり地味で物足りなかった。
俳優が代わっていく007というシリーズでダニエル・クレイグの最後の出演となるこの映画において、ダニエルの外見的特徴を台詞に出して話の中で大きな意味を持たせる脚本からはダニエルへのリスペクトが伝わってきてとても良かった。
思い切ったことを言ってしまえばダニエル演じるジェームズ・ボンドがスーツを着て颯爽と歩いているだけで画になるのでそれをしっかり大画面で見れただけでもこの映画の価値はあったのだろう。
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