ヒュー

007/ノー・タイム・トゥ・ダイのヒューのレビュー・感想・評価

4.4
クレイグボンドの全てが詰まった集大成。過去に決着をつけ、新たなボンドへ…。

007シリーズの歴史を動かしたダニクレボンドの最終章。『スカイフォール』と『スペクター』で大満足とまではいかなかった私を楽しませてくれた(不満はあるが)。お約束を今回も随所に散りばめながらキャリー・フクナガ監督、製作陣の新たなボンドを開拓しようとしてくれた姿勢に拍手を送りたい。

さて、ストーリーの評価は非常に難しい。所々粗さが目立つし自分がアホなことがあってサフィンは結局何をしたいのかが何となくしか掴めなかった。しかし21世紀の新たなボンド像を過度なポリコレに媚びることなく成し遂げ、過去作の良いとこ取りをしながら新しく、濃密な展開に釘付けになった。ボンドを男の中の男に磨き上げてくれた脚本には感謝ですね。

私が今作で1番楽しみにしてたのはアナ・デ・アルマス演じるパロマ。そしてその期待に見事に答えてくれた。少女のような無邪気さに漂う色気、可愛すぎる。ボンドが大人になったためかお色気シーンはなかったがあんなに胸元と背中が空いてたらそういうのを期待してしまいますよね。ちょっと残念(笑)。スピンオフか次回作の出演に期待してます。
Q、M、マネーペニーは毎度の実家のような安心感を与えてくれて大好き。皆好きな俳優さんだし彼らがいるから007を観てるというのを感じられる。複雑な役柄となるマドレーヌの描き方も良かったです。

一方で大いに不満のあるキャラはサフィン。掘り下げが浅いしラスボスとしては…。強いかもしれんが正直そんなに魅力的ではなかった。やはり我が推しル・シッフル並みのものを期待してただけに残念。ラミ・マレックにはもっと良い役を与えて欲しかったですね。と言いつつも日本かぶれでそこはちょっと嬉しかった(笑)。

アクションは歴代007シリーズでもかなり好きな部類に入る。序盤のイタリアでのカーチェイスで気分は最高潮になり、パロマとボンドの華麗なタッグ、後半の工場での銃撃戦も見応えがあってアクション面では文句なしですわ。

音楽はハンス・ジマー氏ということもあり、いつにも増してノーラン作品のような重厚感。銃撃戦などのシーンでは非常に合っていたと思います。が、私的にはもう少し007のテーマを多用してくれても良かったかなと。

脚本が賛否両論ありそうな感じですが自分は大満足です。何よりダニクレボンドの引退作を映画館で見届けられて良かった。
次のボンドは誰になるのやら。私はリチャード・マッデンを推したいと思います。

"Bond…, James Bond"

最後まで美しい青い目が輝いていた。ありがとうダニエル・クレイグ!!!
ヒュー

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