『有終の美な訳がない』
正直めちゃくちゃ楽しみでした。
でも、コロナで散々待たされた挙句のこれはないやろ…
無論コロナで何度も公開が延期したことは仕方がないけれども、それにしても酷かった。
良かった所は、役者自身と、序盤の銃撃されている車の中でのボンドとマドレーヌのやり取りと、『女王陛下の007』へのオマージュのみです。
他は絶望的です。
有終の美ではなく、無念です。
以下ネタバレありの感想
※いつものように口が悪いです(笑)
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前作のレビューでも書いたけども、宿敵スペクターの小物感が酷過ぎて(クリストフ・ヴァルツ自体は悪くない)、宿敵との最後の対決がしょぼすぎて、めちゃくちゃげんなりしたのに、今作はそれを上回りました。
とにかくサフィン、手下含めて敵の小物感が凄い。
全世界を恐怖に陥れようとする信念が弱い。
動機も弱い、というか訳分からん。
全然腹落ちしやん。
もっと残酷に邪悪になってくれよ。
宿敵を殺した敵が宿敵以下って…
これではラストやのに全然盛り上がりまへん。
途中、007シリーズの鑑賞中に初めて、「なげーな」と思ってしまった。
女性007も、多様性を意識して無理矢理入れてみましたみたいな扱いで、大した活躍もせず、脇の脇の脇役で終わるし、おらん方がまだマシ。
ラストもあっさりボンドが二度と誰にも触れることが出来ない毒を浴びたけども、そこは選択肢与えた方が盛り上がったと思う。
サフィンを殺さなければ世界が危ない、ただサフィンを殺すためには毒を浴びてしまう。
『ボンドは一瞬、マドレーヌや娘のことを思うが、次の瞬間には躊躇わずにサフィンに手を掛ける…』
そんな苦悩や展開も無しに一方的に毒を浴びたもんやから、ストーリーに深みがない。
最後はボンド自ら命を落として、観客の涙を誘ってるのが見え見えてますが、僕はめちゃくちゃ萎えました。
死んだら感動すると思っているその魂胆、イーストウッドが撮る映画の有りがちな展開みたいで余計に気に食わない。
その他、言いたい事は山ほどあるけども、
最後に…
散々ボロカスに叩いたけれども、主に監督や脚本がゴミなだけで、役者には罪はないと思う。
ダニエル・クレイグの007が僕は大好きでした。『カジノ・ロワイヤル』が最高に好きです。
愛がある故にこの辛口レビューです。
レア・セドゥの大ファンです。
アナ・デ・アルマスもチャーミングでした。
次のボンドは誰がやるか楽しみであると同時に、ダニエル・クレイグが次にどんな作品でどんな役を演じるのかも楽しみやなぁ。