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007/ノー・タイム・トゥ・ダイのwksgknchのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

2006年から始まった6代目ボンド、ダニエル・クレイグ、ラスト。
全5作で作り上げてきた物語をどう締めるのか。
シリーズでは25作目とか。

これまでの『ヒーロー』的なボンドから、
世の趨勢なのか、ダーク、あるいは人間味がある物語として
積み重ねてきたボンド。

監督・脚本がキャリー・ジョージ・フクナガとルーツが日本にある方が監督という
のも興味深い。
日本映画にも造形が深いようで、今村昌平に影響を受けているとか。


ボンドは現役引退した(ただし明確に告げてない)ため、
後任の00がおり、女性で黒人、ボンドとはっきりと対称とし、
またキューバでは若手の諜報員がいるなど、
昨今の様々な事情にも応えたのは良かった。

サフィンとの二転三転する対決があるというよりは、
4作までの流れを断ち、その上で、という流れだったのかな、
その割には淡白というか、お互いやれることあったよね、
と思ったり。


鍵となった兵器はとても現代的で、冷戦や中東などという仮想国などとも
関係のないスタンドアロン(攻殻機動隊の先見性!)な存在で、
大きな物語など不要、ボスの復讐一本で多くの人を殺める、
殺められるところにいけてしまう現代性。

最後はね、ボンドと一人の男として、どうするか、
任務と情動と間でのいろんな思い、眼前と将来の境遇、
それを背負い、決行する、まあしびれました。
ボンドの満ち足りた笑顔。。。
色々解釈や是非があるだろうな。。。


しかしその結果、次はどうするんだろう、
『ボンド』という名前であって名前でないような存在について、
それを人としての過去のトラウマや恋愛、家族という
一般的な感覚とつなぎ合わせたことで
今までにないボンドたり得たダニエル・クレイグが、
どこかそれらを精算するようなかたちでボンドを退く。



ただ生きる、生きる長さでなく、その時間が大切という
Mの引用した言葉、深い、噛み締めよう。


Bond Will Return Back
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