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007/ノー・タイム・トゥ・ダイのadeamのレビュー・感想・評価

2.0
ダニエル・クレイグ最後のボンド役となった007シリーズ通算25作目。
導入の恐ろしいシーンは掴みとしては文句なしで、一線を退いたボンドの穏やかな日々を描くと思わせておいて息をもつかせぬアクションが展開される序盤は期待を大きく高めてくれました。
続くキューバでのシーンでは、色気と可愛らしさを併せ持つドレス姿のアナ・デ・アルマスが初対面のボンドと抜群のコンビネーションでスタイリッシュなアクションを披露して、強烈なインパクトを残しています。
15分足らずのシークエンスですが、スリルとユーモアの緩急がついていて素晴らしかったです。
しかし中盤以降はダニエル・クレイグのフィナーレをどう飾ろうかという点ばかりに意識が向いたようなご都合主義かつウェットな展開が続き、アクションも初めの1時間を超えることなく、作品のトーンはどんどん失速していった印象でした。
悪役の言動がありきたりすぎて陳腐な上に、クライマックスにアクション的な見せ場を作ることもできていないのはあまりに残念でした。
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