Mariko

007/ノー・タイム・トゥ・ダイのMarikoのレビュー・感想・評価

3.4
こういうのは勢いが大事なので『スペクター』に続いて鑑賞。

そもそも007って緻密な脚本だったりしたことは長い歴史の中でも全然ないわけで、そう思えばまあ順当なんだけど、それにしても脚本が雑過ぎないか?😅

そう感じてしまうのは、やっぱりダニエル・ボンドのシリーズになってからは「続きもの」で、大きく流れる「ストーリー」が重要な仕立てになってる感じがするからなんだよね。
ショーン・コネリーやロジャー・ムーアの頃には、荒唐無稽(それが当たり前)な設定についてや誰が何のために007を狙うのか、とか深いことは考えなかった。まあ、それは自分が子供でTVで観てたからっていうこともあるけど。

でも、今シリーズでは作を追うごとにその連続性がどんどん重くなってきちゃったので、満を持して出てきた最後の敵のキャラクターとしては、ラミ・マレックが影が薄かったというか、面白そうな設定で登場するわりにはあんまり描かれてなかったし、演出ももうちょっとなんとか出来たんじゃないの?な印象。

冒頭からの息をつく間もないカーアクションは凄かったし、何よりアストンマーティンが出てくる度に大興奮なのは間違いないし、観てるあいだは大満足で、気がついたらジェイムズが007に戻ってるし、最後我に返ったらダニエル・ボンドの最期だったりするもんだから、もう007史上最高傑作だ!くらいの勢いで感動してたんだけど、しばらく経って冷静になってみると、いや待てよ....と(笑)。
で、冒頭の感想に戻るわけ。
いちばんはマドレーヌを疑って別れたくだりかな。そこの前後や因果関係をちゃんと描かずに、再会したら子供出てくるし「ずっと愛してた」とか言ってるし...。ここがキッチリしてたらラストは号泣モノだと思うんだけど。

そういう大筋以外のところでは、CIAのアナ・デ・アルマスちゃんが出番短い割りに最高においしいところを持ってったなあという印象だった(これはスーパープラス評価)のと、Qはいつの間にこんなモッサリしたおっさんになっちゃったんだ???という嘆き(笑)。まあベン・ウィショーも40過ぎたのでいつまでもふわふわちゃんでもいられないのはわかってるけど、スカイフォール初登場時のちょっと失礼でチャーミングなキャラにときめいたあの片鱗をちょっとでも漂わせて欲しかったわ(これはマイナス評価)。
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