いぬちゃん

かもめのいぬちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

かもめ(2018年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

有名な戯曲、チェーホフ「かもめ」
原作の方はセリフが長くて、最後まで見れなくて…このようにコンパクトにしてくださって、
とても分かりやすかったです。

文学的な作品でした。
登場人物が複雑でややこしい。
でもこのややこしさがなぜか面白い。。
最近はややこしいやつはあんまりないので、こういうのが新鮮なんでしょうか。。
身内話だけで話が進んでいくのも、古典って感じがして好きです。

主人公のコンスタンチンは彼女のニーナに振られた腹いせにかもめを銃で打ち、ニーナに俺はこのように死ぬとかもめの死体を見せつけます。
実際にコンスタンチンは自殺を図りますが、致命傷にはなりませんでした。

それがのちに、ニーナを苦しめる記憶となります。
都会に出て、浮気相手のボリスと一緒になったニーナは、女優として活躍します。しかし、女優としての評判は良くなく、ボリスにも芝居を馬鹿にされます。ボリスとの間に子供ができますが、やがて子供は死んでしまいます。
(ボリスは元々コンスタンチンの母、イリーナの愛人でした。どちらとも交際していました。そんな姿にもニーナは疲れたのでしょう)

そんな中、コンスタンチンのもとを訪れたニーナは、「私はかもめ、いいえ女優」と言います。→すごく病的でした。

つまり、かもめのように自由に空を飛んだが、コンスタンチンの銃で撃たれたかもめのように朽ち果てつつあるという意味ではないかと。
そんなニーナを見てコンスタンチンは、行かないでと言いますが、まだボリスを愛しているのと振られます。そして、ニーナは撃たれたかもめのように去っていくのです。

話は次々に展開していくので飽きないですし、
どこか文学的で考察が面白かったです。