ダイナ

スクリームのダイナのネタバレレビュー・内容・結末

スクリーム(1996年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

1996年公開アメリカ製作スラッシャー映画。正体不明の殺人鬼ゴーストフェイスが架空の町ウッズボローの人達を殺害していく。これは面白い!

本作の特徴としては過去のスラッシャー映画ネタを取り入れていること。「悪魔のいけにえ」「ハロウィン」「13日の金曜日」「エルム街の悪夢」etc …沢山のホラー映画の特徴に触れながら本作の殺人鬼、殺人パターンはどう違うかを触れている所が面白いです。「巨乳が二階に逃げるとかくだらない!」なんて強気なディスは笑えます。歴代のホラー映画に触れるというのはリスペクトの姿勢を表明する反面含め半ばハードルを上げてしまうと思います。お約束部分をつっこんでしまうことで「じゃあお前はそういう轍踏まないんだよな?」と観客に思われてしまいそうですが、それを踏まえた上でのストーリー展開、正体発覚からクライマックス全てがとても良い!

魅力として抑えておきたいのは「ゴーストフェイス」というキャラが誰なのか?という犯人探し要素。あいつが怪しいんじゃないか、そういうお前はどうなんだという探り合い、怪しい含みのある行動(校長のマスクいじり等)容疑者がどんどん変わっていくことによる推理の変化はとても面白かったです。そして結構被害者と良い戦いというかカウンター喰らいまくっていて弱そうというか。被害者を虐め殺してはらわた引き摺り出すような残忍さと「もうちょっと勇気と力が備わってたら倒せそうじゃね?」と思っちゃうようなひ弱さを感じてチャーミングでした。正体は高校生2人。ミステリー小説だったら非難されそうな正体ですがスラッシャー映画でのこのオチが自分的には全然許せます。殺す前にクイズを出したりだとかガレージシャッターでの殺人とか、普通の刺殺に止まらない楽しませ方(不謹慎)も良し!

作中で挙げられるルールもあるあるとニンマリ頷いてしますね。①セックスは御法度②酒・ドラッグはNG③「すぐ戻る」は絶対言わないこと。最近スラッシャー映画ばかり見てますがポロリが確実に入っているのはなんなんでしょうか。スプラッターによる生死への警告が性欲を刺激してエロの需要を生み出すことを予想してエロシーンを挿入している…?

過去のホラー映画に敬意を払いつつ、それらとは異なる正解の道を示してくれた映画。「これは私の映画よ」の一言に尽きます。このセリフが最高すぎる!信頼実績あるスラッシャー映画の伝統的お約束、テンプレートをぶち壊した怪作です。
ダイナ

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