たりほssk

顔たち、ところどころのたりほsskのネタバレレビュー・内容・結末

顔たち、ところどころ(2017年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

素晴らしかった!最高の映画でした。
あのヌーヴェルバーグのアニエス・ヴァルダ監督と写真家JRがコンビを結成、映画を製作!
二人はフランスの田舎を巡り、地元の人々と交流します。人々に親しげに話しかけ、ポーズをとってもらい、JRが大きなポートレートを撮影し、建物に貼ります。その写真がどれもとてもインパクトのある素晴らしいものです。撮影された人の中には違和感を覚える人もいたみたいだけど、たいてい皆喜んでとても感動していて、さらにその場の空間までもが活気づけられます。 そしてその様子を見ているこちらも幸福感で一杯になってくるのです。
それは美術館で静かに鑑賞するだけがアートじゃないんだってことを実証するような躍動感に満ちた活動でした。

旅を続ける二人の絆も感動的で、年齢差に関係なく、芸術面では対等でお互いリスペクトし合っていることが素晴らしく、それでいて年上のアニエスを常に気遣うJRが優しかったです。可憐でお茶目で、気さくなアニエスの人となりも初めて知りました。

そして幸福な展開の中には、去り行くことや別れを感じさせるモチーフも含まれていて、それが深みを持たせていました。映像編集のセンスが素晴らしいと思います。ゴダールのくだりはすごく残念だったけれど、ほろ苦い終わり方が一層味わいを深めていました。

素晴らしい映像を見せてくれた二人に感謝です。特にアニエス、本当にありがとう。
たりほssk

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