ヨンっ

友罪のヨンっのネタバレレビュー・内容・結末

友罪(2017年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

子供の頃に犯した罪を大人はどう感じ、生きていくのか?
様々な罪を背負った大人達が描かれている。

この映画では、少年時代に罪を犯した本人の生き様と、子供が罪を犯した親の生き様という二つの視点から描かれる救いのない人生が見どころだった。
その二人である瑛太と佐藤浩一の演技が、見事にこの人間達を表現していた。
 

瑛太が公園で友に罪を告白するシーンでは、自分自身の罪を理解し死んで償うしかないのだろうと語るが、それでも生きたいんだよとも話す時の言い方や表情が胸に刺さる。
絶望を抱えたまま生きる罪悪感とそれでも生きていくことへの希望の両方が伝わってくる。
少年が罪を犯した時、罪の意識はそれほど無かったのかもしれない。しかし大人になるにつれてその罪の重さを理解していく。しかし罪は罪なのだと、理解していなかったとは言え自分が起こした罪を抱える覚悟をしなければならない。そんな矛盾したような感情を伝えられる事がすごすぎた。

佐藤浩市の子供の罪を抱える親という、犯人の心は持ち合わせていないのに、親として償い続ける覚悟をしなければならないという矛盾の表現が演技されてる。
息子との電話でのシーンで息子の子供の話と罪の反省の言葉をきいたあとの「そうかぁ」がすごい。息子のせいで自分の人生が壊れてしまったのに息子は家庭を持ち幸せになろうとしている事への怒りと、罪を償い自分の人生を生きようとしている事への親としての喜びが込められた、素晴らしい演技だった。
ヨンっ

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