ロロノアゾロ

去年の冬、きみと別れのロロノアゾロのレビュー・感想・評価

去年の冬、きみと別れ(2018年製作の映画)
3.0
★★★【普通】

『去年の冬、きみと別れ』(きょねんのふゆ きみとわかれ)は、中村文則の小説。2013年9月26日に幻冬舎より刊行された。2014年(第11回)本屋大賞候補作。2018年3月10日に公開。 主演は岩田剛典。

どんでん返しというのはある種のネタバレであり、事前に知らない方がいいのかもしれない。それだけでハードルは上がってしまい、そこまでどんでん返しではないなぁという想いが強くなってしまう。何より見ていて辛いのが岩田君の演技力である。耶雲恭介という人物は紛れもなくこの作品のキーパーソンであり、二面性を使い分ける難しい役所である。それだけに演技に定評のある若手俳優でなく、今をときめく売れっ子アイドルにその役所を委ねたことは明らかに作品の価値を落としており、残念極まりない。別に岩田君を責めているのではない。彼は歌手であり、演技の質を求めることは甚だお門違いである。寧ろ批判すべきは今の日本の映画界である。今の日本の映画界にとって、作品価値を落としてでも興行収入を得るというのはそれほど大事なことであり、現実問題避けては通れない。映画監督が自由気ままに己の才能を発揮できる現場や環境が出来上がらないことには邦画の未来は無いのかもしれない。