Jeffrey

コンプリシティ/優しい共犯のJeffreyのレビュー・感想・評価

3.8
サブスク疲れの自分にとってはかなりの拾いものだった。これは良かった。中国人実習生をフォーカスした作品と言うことで気になり、Prime Videoで配信されていたのを鑑賞したが主人公の中国人役者がすごく良い。もちろん藤竜也も素晴らしく、役者に助けられた作品だと言うと、いささか監督に失礼なので、もちろん演技指導したスタッフならびに関係者すべての導きが良かったと言っておこう。不慣れでぎこちない主人公が何らかのきっかけでネガティブなアクションを起こしてしまい、そこからズレが生じてドラマが展開していくのではないかと言うハラハラ感が終始あって観客はずっと落ち着くことが許されない。そして中国と日本を行き来するリレー方式はアピチャッポンウィーラセタクンの初期の作品を彷彿とさせる。自転車で2人乗りするシーンを移動ショットで遠目から撮影しているのは台湾ニューウェーブの80年代の作品から90年代初期から始まった第5世代の大陸映画を見ているかのようだ。それからカメラが手持ちカメラを多用し、多少のブレを演出するので、ドキュメンタリー風な雰囲気が出ている。それでも不法滞在を許してはいけないと感じてしまうが、救ってあげたい気持ちもあるが、哀しいが現実で我々が選んだデモグラシーはこうである。
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