抹茶マラカス

小さき勇者たち 〜ガメラ〜の抹茶マラカスのレビュー・感想・評価

4.2
大傑作すぎた平成ガメラ3部作が「カメ」という概念すらも廃してガメラの神聖さを保証したのに対して、本作は昭和ガメラの持っていたガメラは子どもの味方、と言いつつ必ず出血してグロテスクになる、みたいな点をしっかり考え直して構成した見事な作品。突如訪れる中華包丁対子ガメラは、完全にギロンをオマージュしており、昭和ガメラ、即ちガメラを生み出した時の本質に立ち返り、ゴジラに出来ないことを考え尽くしている。結果、とても良くできたジュブナイルに。
ガメラが子どもの見方をするのは決まりではなく、亀を拾って育てたから、という単純だけど納得度の強い理由を持ってきた。その上で、ソー:ラブ&サンダーに感じた子どもを戦いの場に引っ張り出すことの嫌味を全く感じさせないのに子どもが話の邪魔をする昭和ガメラ感もなく介入させている。
平成ガメラしか見ていないとどうしてもテイストが違いすぎて気に入らないかもしれないが、これは平均スコア以上に面白いぞ!