ジャン=ピエール レオ。
ヌーベルバーグで、ゴダールで、映画好きになった私には、やはり思い入れがある人。
年老いたジャンは、若い頃の神経質なイメージは薄れて、若い頃よりずっと素敵だった。
センシティブ過ぎて太れないタイプだと思ってたけど、かなり膨よかになっていて、驚いたけど、若い頃より少しは穏やかに歳を重ねられたんだなぁと勝手に想像し嬉しくなった。
映画自体は、私が映画を知って好きで観てきたフランス映画らしい映画。
フランス人は愛と哲学を語り、愛と哲学に生き、死を思う。
ジャンも変わらず愛に生き愛で生を知る。そしてそれを語る。
子供達の屈託のなさと素直さ。
彼らの作る映画の中では、愛も哲学も語られないけれど、映画づくりに映画を好きでいるのに、もっと大切なことを大切なままで持っているのが見て分かって、こちらも幸せな気分になる。
何が起こるわけでもなく、きっと多くの人には退屈な映画なんだろうけど、私たちの人生も毎日特別な事が起こるわけではなくて。
その日々の中で起きる出来事が、少しでも特別で豊かなら、間違いなく幸せなんだろうと思うし、そういう事が描かれているこんな映画をいつまでも観ることができたらなぁと思った。