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悪魔祓い、聖なる儀式のtakanoひねもすのたりのレビュー・感想・評価

悪魔祓い、聖なる儀式(2016年製作の映画)
3.0
シリチア島の実在のエクソシストであるカタルド神父に密着した悪魔祓いのドキュメンタリー。2018初劇場鑑賞。

ナレーションがなく、淡々と対象を追った内容。オカルト的な興味本位で観るには単調すぎるかも知れない。あとキリスト教について多少知っている方が多分良い。
題材は魅力的で、実在のエクソシストの日常と実際の儀式が垣間見えるのが貴重。大分イメージが覆される。思っていたより日常的だった。

悪魔つき、鬱、ドラッグ中毒まで神父への相談内容は幅広い。
そしてこれらの問題の根元が信仰の薄さなのだ。信心を取り戻すことが鍵となる…いや君それは悪魔じゃな…と思えるケースもあるのだが、キリスト教における信仰について実体験が伴わないこちらはただ目の前の映像に見入るしかない。

悪魔に憑依され咆哮を繰り返す女性に「猫だな、猫」と全く陽気に語るある神父にも驚くし、携帯電話越しに悪魔祓いを行う姿にも驚く。

シチリアの救済を求める全て人達の受け皿として機能しているカタルド神父。
間断なく救いを求める人々の相談に軽くボヤく神父が率直過ぎて思わず笑いがこぼれた。

現在の公式のエクソシストは404名でその半数がイタリアに集中しているそう。