ナーガ

泣き虫しょったんの奇跡のナーガのレビュー・感想・評価

泣き虫しょったんの奇跡(2018年製作の映画)
3.9
瀬川晶司っていう棋士が書いた自伝の映画化です。

直近に観た「セーラー服と機関銃」に続き、昭和後期の雰囲気が楽しめる映画でもあります。しょったんの方は平成に作られた映画ですが、映画のほとんどの時間は昭和後期から平成一桁です。
家の窓ガラスの下半分が模様入りガラスになってるとか、大人がほとんどみんなタバコ吸ってるとか。
タバコの煙もうもうの中で小学生のしょったんがマスクして将棋打ってた。なるほど。(もちろんマスクはア○ノマスク型。効果があったかどうかは不明です)
こういう細かいところがしっかり丁寧に描かれていて、とても良いです。

全編を通して、イジメとかはないし、悪意を持った人とかは出てこなくて、周りの大人たちがしょったんに対してとても温かいんですよね。お父さん、お母さんはもちろん、イッセー尾形さん、小林薫さんらが演じたアマチュア将棋の人とか、小学校の先生役の松たか子さんとか、すごく優しくて良いわー。ちょっと厳しいこと言う兄だって優しいよね。
きっと、周りにはイジワルな人や足を引っ張ろうとする人がいたりしたのでしょうけど、瀬川さんがそれに気づかなかったか、あえて書かなかったか、映画化するにあたって削除したか。私は「気づかなかった」に一票です。

「3月のライオン」(アニメしか見ていませんが)はフィクションですがいじめとか不倫とか孤独とか息が詰まっちゃうような場面がたくさん出てきて、見ていて辛くなりますが、しょったんはそうではなく、ほんわかあったかい映画です。

ほんわかあったかく丁寧に作られた分かりやすい映画を見たい人にはオススメです。


見終わってから、瀬川さんの事検索したら、彼をきっかけにして、今ではアマチュアからプロになる道ができているらしいです。
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