テーマはイスラムの因習批判
視聴中、監督の出身地と意図が気になったので見終えた後に調べたが、英語版ウィキでも良くは分からなかった。しかし名前の響きからインド系かイスラム系なのは間違いないだろう。
まぁ白人監督でこの内容だと明らかな人種差別、排外主義の表れとなるだろうから現代では無理なテーマとも言える。
映画の手法としては最初に結末的描写を2場面持ってきて、そうなる経緯を綴るという展開のさせ方。
ざっくりとした言い方をするなら「イスラム圏古来からの因習に背いた自由恋愛者は一族の不名誉となるため殺されなければならない」という大元の背景があり、「背教者かつ一族の恥さらしである娘」を亡き者にしようとする母と兄、その依頼を受けた人探し業の白人の物語。
何しろ最初に暴力的な場面を持ってきたがために、それが不快且つ結構衝撃的ということもあり、その経緯を綴る中盤は気の抜けたサイダーのようなもの。「どうせああなっちゃんだよなぁ・・」という諦念があるのでなおさら。
しかし、イスラム圏の因習やメンタリティーを知るという意味では興味深かったのは間違いない。
オープニングの続きとなるラスト描写は匂わせだけでエンドとなるが、あの無教養下層白人カップルの屈折したレイシズムに対するヒロインの対処こそ数少ない眼目点となっていた事もあり、尻すぼみ感は否めなかったですね。
2.5の二つ星
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