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きらきら眼鏡のKUBOのレビュー・感想・評価

きらきら眼鏡(2018年製作の映画)
2.9
東京に帰ってきて初めての試写会は「きらきら眼鏡」。

一冊の古本の間に挟まっていた名刺から、突然巡り合った愛くるしい女性。前半はその謎の女性あかねさんを演じる池脇千鶴の魅力に引っ張られて見ていける。

突然、目の前にこんな女性が現れて、こんな可愛げに接してきてくれたら誰だってその気になる。池脇千鶴って、純情っぽくて危ない雰囲気を醸し出すな〜。やばい魅力いっぱいだ。

それに対して主演の金井浩人の演技の振り幅が小さすぎる。最後にちょっと笑う以外ずーっと同じ顔、同じ表情。モテる役なんだけどちっとも魅力的でないし、感情を表現できていない。

終盤、池脇千鶴演じるあかねさんが、なぜそんな風にしていたのか、を明かすのだが、「そういう」つもりで「ああいう」接し方をしていたというのなら、あかねさんはかなり怖い女だと思う。そこも演出なのか、池脇千鶴の天然な魅力との齟齬なのか、わからないところだが、そこまで計算してはいまい。

「愛するものを亡くした者が、どうそれを乗り越えて行くのか」がテーマなわけだけど、脚本からは、かなり観念の上だけで構築された「おはなし」としか受け取れなかった。

どんなものでも輝いて見える「きらきら眼鏡」。ネーミングも発想もおもしろいが物語の中に活かしきれていない。タイトルにもしているんだから、もう少し上手く作れなかったものか。





様々な抗がん剤を試した上での末期患者なら、あんなに髪の毛がふさふさしているわけがない。リアリティのためにもこだわってほしかった。
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