ねる

カランコエの花のねるのネタバレレビュー・内容・結末

カランコエの花(2016年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

めちゃくちゃ好き。好みでした。
周りがどういう人か、自分がどう見えてるか、どのポジションにいるかといったことが学校という枠組みの中ではとても重要で、無意識的にセクシュアリティに対して差別的な発言をしてしまう視野が狭く知識がない片田舎の高校生たちのコミュニティのリアルさに何度も息が苦しくなった。
でもきっと、自分が高校生の時も直接言葉にしないだけでこの登場人物たちのような自分たちの常識でしか測れない思想を抱いていたと思う。

恋愛指向と性的指向の違いやジェンダーの問題等、とにかくこの世の中にはいろんな人がいるということを以前よりも詳しく知っている今、登場人物たちの無知丸出しの考え方がとても恐ろしかった。
LGBTであると自覚しているこの作品の人物が求めていたのは、特別扱いではなく多数派である異性愛者と同じように接してもらえること。ただ好きな人の話をただ聞いてもらえること。
BGMのない中流れるエンドロールとともに、ただ好きな人のことを楽しそうに愛おしそうに話す声色に涙が溢れた。
「LとRをたまに間違えたりする天然なところにも癒される」と愛おしそうに好きな人について語る人物に、ただただこれからも変わらずそのままで生きられる場所があってほしいと心から願うばかりだった。

作品の特性上、マイクロアグレッションに溢れているので視聴には注意を。
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