『 冷たい夏🚲 』
「少女は卒業しない」の中川駿監督作品。ある夏の日、高校2年のクラスで唐突に行われたLGBTについての授業。その後、他のクラスでは同じ内容の授業は行われていない事が分かり、生徒達の間には疑念が生じていく。
「うちのクラスの誰かなんじゃない？」
広がる波紋。
限定された教室という空間の中で起きた波は寄せては返し、簡単には収まらない。多感な時期ならではの難しさも捉えつつ、一見理解が広がった様に思える“今”に「実は錯覚では？」と一石を投じる。
ノスタルジーな気分から一転、結果的に余計なお世話だった授業後に生じる現実の難しさに胸が苦しくなる。良かれと思った事が当人の為にならないという現実。仕事においても今まで幾度となく直面してきたけど、正義感は時に振りかざされる武器となり周りを巻き込む。一度起きた波風は簡単には収まらないという現実の厳しさを、悔しさとして思い返させる。
下手な商業映画なら、短絡的なオチをつけ現実の残酷さをより際立たせたかもしれない。でも、あえてそうしない事で観た者に一考をさせる“きっかけ”となる作品。「あなたを守る」という花言葉が最後、グッと棘の様に心に刺さる。これからその年頃に向かって成長していく娘を持つ親として、色々と考えさせられた。
「守ってあげたい」
You don't have to worry.worry
守ってあげたい
あなたを苦しめる全てのことから
初めて言葉を交わした日の
その瞳を忘れないで
いいかげんだった私のこと
包むように輝いてた
日暮れまで土手にすわりレンゲを編んだ
もう一度あんな気持ちで夢を形にして
Soyou don't have to worry worry
守ってあげたい
あなたを苦しめる全てのことから
'Cause I love you 守ってあげたい
Song by. Yuming
