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カランコエの花のILLminoruvskyのレビュー・感想・評価

カランコエの花(2016年製作の映画)
4.0
原題『カランコエの花』 (2018)

監督・脚本・編集 : 中川駿
出演 : 今田美桜、永瀬千裕、笠松将、他

とある高校の2年生のクラスで、ある日唐突に「LGBTについて」の授業が行われたことをきっかけに、クラス内にLGBT当事者がいるのではないかという噂が広まっていく様子を当事者ではなく周囲の人々の目線から描いた短編映画。

自転車を二人乗りで帰るシーン、カランコエの花言葉を聞いて決意するようにシュシュを付けるシーン、そして、善意の言葉が当人を傷つけてしまい、"言葉の過ち"を自覚して涙ぐみシュシュを外すシーンなど確かな演出が光り、周囲の人間からの視点を描くことで翻弄される当事者を映し、潜在的な差別意識を浮き上がらせ、観客に考えさせる語り口は秀逸。

エンドロールでの桜と保健室の先生との会話からエンドロール後の解放されたかのような桜の笑顔は、これから彼女に訪れる未来を知っているボク達はその笑顔が美しいが故に余計に切なく、胸が詰まりやりきれない思いになるしかない…

日本短編映画名作だと思います。
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