くるぶし

カランコエの花のくるぶしのレビュー・感想・評価

カランコエの花(2016年製作の映画)
4.5
フォロワーさん、そんなにいないんですけど、普段邦画はあまり見ないという方に、これだけは見てくれないかなーって思ってます。

むずかしいことは抜きにして、見てよかったと心から思えるし、日本人が今みるべき作品です。
そして、本来ならば、こういうテーマの作品が生まれる事態が普通ではないことを肝に銘じなければならない。

降って沸いた「クラスの中に同性愛者がいる」という疑いから巻き起こる高校生たちの動乱。
その生徒を守ろうとすることで結局生徒たちの不信感を煽ることになる教師たちには辟易するが、そもそも差別していない気分でいるだけであって、根っこでは差別をしていることに気づいていないのだから当然である。

例えば思いがけない出来事が起きたときに、その場の感覚や空気で察知する能力は、子どもよりも大人の方が精度は高い。けれど、自分は間違っていないと自信がある人であればこそ柔軟性がなくなり誤った対応をしがちだ。教師たちはまさにそれ。偽善を押しつけた結果が悲劇を招いている。

別に糾弾したいわけじゃなく、大人でさえ、あんなことしか出来ないのだ。
狼狽する大人たちを見て、子どもたちはどう思うだろう。

大きな課題を投げられたと感じた。自分ならどう対処できたのだろう。あなたを守る、なんて心から言い切れるだろうか。
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