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あみこのtetsuのレビュー・感想・評価

あみこ(2017年製作の映画)
4.2
「甘くない、レモンのように酸っぱい青春。」

サッカー部の人気者"アオミ"くんに恋をした女子高生"あみこ"
しかし、あることを境に彼は姿を消してしまい...。

今週末開催のイベントに向け、観賞。
こじらせ系女子が主人公の恋愛コメディ映画最新版。
有名監督の登竜門PFF(ぴあフィルムフェスティバル)にて、2017年の観客賞を獲得した一作。
なんとも憎めない"あみこ"のキャラクターが本作の見所で、OPから飛ばしてくる独特の空気感が最高!!笑
もうね、彼女がスパゲッティを食べるシーンの咀嚼音を聞くためだけに観てもいい映画ですよ、これは。(←それは違うだろ。笑)

また、加工をできる限り減らした映像に予算の少なさを感じてしまう人もいるかもしれませんが、個人的にはむしろリアリティを感じられ、好印象でした。
twitterやLINE、instagramに携帯の道案内など、"現代の若者"を代表するツールを多々登場させたことは印象的で、より昨今のリアリティを強調するとともに、数十年後、本作を観たとき、"今"という時代を知る大きな手がかりになっているのかもしれませんね。

そして、クライマックス、舞台は長野から東京へと移り変わり、時間の流れが一気にゆっくりになるのですが、ここの展開が"痛快"の一言に尽きる。
報われない片想いをした多くの人々の願望を叶えてくれる"あみこ"の姿とその行動には誰もが勇気をもらえることは間違いないでしょう。

というわけであまりにも愛おしいキャラクターに、その先をもっと見ていたくなる本作。
全編66分という短さなので、忙しいあなたこそ、ぜひ、観ていただきたい作品でした。

参考
次の「カメ止め」はこれだ!!新人監督の「あみこ」に関西熱視線
https://www.daily.co.jp/society/life/2018/11/16/0011824850.shtml
(12/9から公開の元町映画館では、監督の出演女優の3名が来るとか!)

参考図書
『美しい夏 』
著者:パヴェーゼ
(劇中、あみこが読んでいた本。本作における"あみこ"と女友達との友情はこの作品を参考にしているのかも...。)
https://www.amazon.co.jp/%E7%BE%8E%E3%81%97%E3%81%84%E5%A4%8F-%E5%B2%A9%E6%B3%A2%E6%96%87%E5%BA%AB-%E3%83%91%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%82%BC/dp/4003271424

2019/8/21
#シリーズ:PFF を追加しました。
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