RIO

謎の天才画家 ヒエロニムス・ボスのRIOのレビュー・感想・評価

3.9
目に見えないものを描き出す
左端に玉座の上に座り地球を見守る神様の扉を開く

デカルト以前の絵画には生命は自然から生まれてきたと考えられていた

オランダの画家ヒエロニムス・ボスの描いた「快楽の園」はブルゴーニュ王国ナッサウ伯ヘンリー3世の宮殿にあった
ナッサウ伯エンゲルベルトの甥2人の教育の為にと依頼されて描いている

元は「多様な世界」という題名だったらしいのですが不合理に満ち満ちているトリプテイク*三幅対の絵*

苺が沢山描いていある中央は必要以上にいる裸体の人間たちが獣に乗って泉の周りをメリーゴーランドのように回っている
みんな禁断の赤い実を食べて遊んでばかりいる

拷問グッズのある世界には大きな楽器に押し潰されてお尻に音符を書かれてる罪深い人がちょっと可愛い

人類を強力な厭世観で見ていてあった筈の作者が自らも絵画の辛辣な世界へと没入している
混乱し涙ながらに描いたんだろうか

魚に呑み込まれている裸体やあらゆる箇所の球体にシュールレアリスムのセンスが溢れていてやはりダリがインスピレーションを受け「記憶の固執」1931年の怪物などはそのオマージュされたものだそう
プラド美術館には行けないので間近で見れるのはとても良かった

エデンの園に立つアダムとイヴ
その真ん中に立つ神様はこちらをじっと見詰めていた
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