刺激的な事件内容と、癖のあるキャラクターでラストまで一気に魅せる作品。
主人公の刑事を演じた二人も演技が良く魅力的な役者さん。
特にアントニオは一見昔のアル・パチーノかダスティン・ホフマンを彷彿とさせる風貌で魅力的だ。
ロドリゴ監督作は初めて見たが、どうも「もやっ」としたラストはこの監督のカラーのようで、そこを味わえないとちょっと不満の残る落とし方。
すべてを捨てて逃走した犯人に、もう事件を起こすこともないので、捕まえるのは無理だろうということを提示し、いきなりの三年後。
この盛り上げ方は最高。
そして身だしなみがきちんとしていたのに、髭を蓄えてくたびれた姿で刑事の登場。この三年間の何が彼をここまで変えた?と想像せずにはいられない素晴らしい脚本。
なのに、なぜかそのあと車の中で格闘。
外で恨みを込めて殴り倒し・・・・え?殺しちゃったの?
運転席に座り込んでぼーっとして、この後どうするの?あんたもう刑事じゃないの?その強烈な復讐心はどこから来たの?それほど相棒と仲良くなかったじゃん。などなど疑問満載でエンドロールへ。
これが監督のカラーなのだろうが、あそこまで盛り上げたら、逮捕して刑事としての満足げな表情で終わらせてほしかった。
全体は完成度も高く満足感を味わえる作品。
余談。
「もう殺しはしていないのか?アンドレス」
刑事だとわかり、隠し持ったナイフで襲いかかろうとするアンドレス。
しかし、その瞬間彼の体には無数のレーザーサイトの赤い光。
駆け寄る特殊部隊。満足げな刑事の顔。
これではあまりにハリウッド的かな・・・・・