紅孔雀

ゴッド・セイブ・アス マドリード連続老女強姦殺人事件の紅孔雀のレビュー・感想・評価

4.0
珍しや、スペインのバディ刑事もの。クレージーケンバンドの横山剣さんの如きマッチョ刑事とアル・パチーノ似のコツコツ捜査タイプの刑事が、連続老女レイプ殺人犯を追う、というぶっ飛んだ設定です。背景となるスペインの街並みが魅力的で、不思議な味わいのサイコサスペンスでした。
で、私にはこれがみごとにハマったんですね。前半部は皆さんと同じように、刑事たちの私生活等どうでもいいから早く犯人を捕まえぃ、とヤキモキするんですが、これもまた本作の持ち味。後半は、伏線も回収されて(例えば、死体の姿勢で自ら横になる、という独特の捜査方法が最後に意味を持ったり)、よくできた本格ミステリに様変わりします。バディものと言ってもデンマークの「特捜部Q」ほどに万人受けはしないですが、できればシリーズ化して欲しかったなぁ、と思いました(ある事情でそれは叶わないのですが‥)。
スペイン産ホラーは『アザーズ』や『MAMA』等その独特のタッチがクセになりますが、スペイン・ミステリーもまた捨てたもんじゃない、と思わせられる一篇でした。
紅孔雀

紅孔雀