このレビューはネタバレを含みます
ギャンブルの渦に呑まれて我を失っていく人物を眺めるのはなかなかにしんどいから、このくらい引いた視点から傍観者で居させてくれる方が見てて楽だった
実際にその現場に居合わせるモリーの精神のすり減りようは尋常じゃないだろうし、多くの人間の破滅を間近にしても毅然と振る舞う気力に感嘆する
しかし、ロシアンマフィアに強盗された直後のモリーの思考回路は、ギャンブルの負けをギャンブルで取り返そうとする依存症と同レベルで、反面教師を知っていながらもいざ似たような状況に立つと人は理性的ではいられないんだなあとしみじみ思う
彼女が裏社会で闇カジノを築き上げる過程はハイテンポかつスリリングに描かれてて、息をつく間もなくグイグイと引き込まれた
そのぶん回想を出し尽くした終盤にかけてがかなり失速して見えたのが勿体ない
面白さ的にも中盤までがピークで、ぶっちゃけちゃうと裁判の行方とかはどうでもいいっていうのが本音