虎舞羅ーコブラー

ミッドナイト・ランナーの虎舞羅ーコブラーのレビュー・感想・評価

ミッドナイト・ランナー(2017年製作の映画)
4.5
「捜査の3大要素、“情熱、執念、本気”。“間違い”だった答えが、二人によって“正解”となる。熱血コンビが巨悪に迫る、サスペンスアクション!」

この日は中々寝付けず、同室の先輩とオールナイト映画祭を開催。二人で「イコライザー2」「イット・フォローズ」、そしてこの作品の三作を鑑賞。次の日、夜になって急激な睡魔に襲われました。昼間に影響でなくて良かった…(汗)

韓国の若手俳優、パク・ソジュンとカン・ハヌルが警察大学生を熱演。
本作は韓国ノワールの要素を取り入れたサスペンス映画となっていますが、この二人のコメディ要素が大きく、重すぎず笑いながら鑑賞出来る作品に仕上がっています。
韓国ノワール作品では重く陰鬱なバイオレンスが展開されていきますが、本作ではコメディを強めながらもしっかりとノワール描写を描けていたように感じます。年齢制限が設けられていないため、暴力描写などはそこまでハードではありません。しかしその中でも、犯罪組織による女性への監禁・暴力などの問題提起は隠すことなく描けており、笑いと問題提起のバランスが絶妙に取れています。
逆に他のノワール作品の様に残虐描写を多くするのに傾いてしまうと、本作では作品の魅力が落ちてしまうように感じます。主人公二人が独自捜査のために走り続け、最後には巨悪を打倒し成長する彼らなりの青春要素があるからこそ、よりライトな目線で多くの人々に訴えかける力が増しているのではないでしょうか。

アクション面もかなり力を入れていて、主演二人の肉体美が映るトレーニングシーンから、その肉体を存分に用いた乱闘シーンは見もの。警察学校で鍛えられた柔道技や逮捕術、警棒やテーザー銃も使いながら戦っていくのですが、やっぱりまだ未熟さが見える動きがちらほら。ですがそれがいいんです。多数の敵 にかなり苦戦しながらも、培った知識と鍛えた肉体で全力でぶつかっていく。文字通り“情熱・執念・本気”が表れるアクションシーンでしたね。

韓国ノワールサスペンスの中ではかなりライトな作品なので、初心者や暴力描写に耐性があまり無い人にもおすすめ出来る作品でした。
是非一度、ご覧ください!