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ヒューマン・フロー 大地漂流のRIのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

授業の課題で視聴。
メモ↓

Human Flow

持って生まれた権利=生きる権利が欲しい
(種やヒョウのような)
女性や小さな子供もぎゅうぎゅうの船に乗っている
イラクから来たムハンマド・ハッサン

イラク
シリア難民27万7000人を保護(host)
2003年:アメリカ主導の多国籍軍がイラクに侵攻、26万8000人が死亡、400万人が故郷を追われた
→9.11後

A refugee is a person with “a well-founded fear of being persecuted for reasons of race, religion, nationality, membership of a particular social group of political opinion. ” (the un refugee convention 1951)

ギリシャ レスボス島
lesvos, Greece
小さな子供たちもたくさんボートに乗ってた
1週間で5万6000人以上がギリシャに流れ着いた
2015〜2016:100万人以上の難民がシリア、アフガニスタン、イラクからギリシャに押し寄せた

難民を産んだ要因(紛争)はまだ続いているのでこの状況は続く

ヨーロッパへの影響:50万人以上の難民がギリシャからヨーロッパへ移動
想像を絶する苦労の末漂着する

2016年現在:6500万人以上の人々が難民生活を強いられている
第二次世界大戦以降最多

ドイツ:受け入れることができる(メルケル)

バングラデシュ
敵を恨むなと説くイスラム教
武力を行使したりしない

The Rohingya people are Muslim minority group from Myanmar, where they have been subjected to respect campaigns of rape, pillage, and persecution.
Approximately 500,000 Rohingyas have fled to Bangladesh, Thailand, and Malaysia.

無国籍者、漂流者と呼ばれる
感情のある人間なのに、、
未来が奪われた

ギリシャ北部
Northern Greece
タイムズ紙:難民への対応をめぐり、ヨーロッパが分裂している間も混沌さは日々増していく

ギリシャ-マケドニア国境
2015年からヨーロッパ諸国が難民に対し国境を封じ込め、数万人がギリシャで足止めされた→難民の爆発的増加とテロの影響?
100万人が門を掻い潜り、国境を越え、クロアチアやセルビア、マケドニア、その先へ

ベルリンの壁が崩壊した1989年当時、国境に壁やフェンスがあったのは11カ国、2016年現在は70カ国に増加

セルビア-ハンガリー国境
難民条約が締結されたヨーロッパで難民問題が起きている
難民保護の概念
1951年:鉄のカーテンを超える人々、旧ソ連から逃げてくる人々を個々に保護してた
ヨーロッパ諸国には伝統的に難民を受け入れる仕組みがあった、少ない頃は機能していたが多くの人が押し寄せるようになって崩壊した

国境のフェンスは物理的な障害に過ぎない
→超えられる可能性が大いにある

シリア-ヨルダン国境
130万人のシリア人が内戦から逃れるためにヨルダンへ
シリア内戦が始まった当初、ヨルダンはシリアとの国境を開けていた
現在開いている国境は5箇所のみ
正規のルートで国境を越えた人:55万3300人
実際に国境を越えた人:140万人
↑かなり莫大な数字

1948と1967の中東戦争の後、ヨルダンは200万人以上のパレスチナ難民の家となった
世界最大規模の難民キャンプは独自の経済活動も発達させた

イタリア南部
southern Italy
2015〜2016年:21万人を超える難民がアフリカからイタリアへ漂着

Dr. Hanan Ashrawi (head of the Pro Department of Culture and Information )行き場を失った人々が,受け入れを望まない国々にすがるしかない状況

ギリシャ アテネ
Athens Greece
なんとかマケドニアに入ろうと奮闘

アフガン難民の受け入れをヨーロッパは停止(予定より早い)、今後の予定はない、誰も教えてくれない
軽い気持ちで故郷を去ったわけではない
国に残ると危険、平和な暮らしを求めた

ギリシャ イドメニ
Idomeni Greece
偉い人も難民と同じ生活をしてみるといい
虫も出るし、病気も蔓延してる
「いつここを去れる?」と神に尋ねる

トルコ東部
Eastern Turkey
イラン、イラク、シリア、トルコにまたがる山岳地帯に3000万人のクルド人が暮らしている。2015年トルコ軍が軍事作戦を強化→50万人が故郷を追われた

家族のために20〜30年働いて家を建てたのに、破壊された

2016年3月:EUとトルコは難民対策で合意、トルコはEUに渡った難民の送還を受け入れる代わりに60億ユーロの支援と、自国民のビザ免除措置を手に入れた

難民たちはヨーロッパに行きたいわけではなく、1番望んでいることは故郷に帰ること


トルコ
Turkey
東西の架け橋であるトルコは、世界最多級である300万人以上の難民を保護
難民は平均26年間の難民生活を送る
ニジプ難民キャンプ
トルコの公的キャンプに住む難民は全体の10%

アイ・ウェイウェイ監督:現地の人と話して実態を知る→世界中に伝えようとしている

Dr. Cem Terzi (the association of bridging peoples):トルコ政府次第で難民認定受けていない人々は強制送還される可能性がある、国際的な権利がない、
社会生活を送れるように就労許可と仕事、人並みの給料がいる→子供達が学校へ行くべき

レバノン
Lebanon
シリアやパレスチナ難民を人口の三分の一にあたる200万人保護している

世界で最も人口密度の高い難民キャンプ:アイン・ヘルヒルウェ難民キャンプ
中東戦争以来60年以上
キャンプ育ちの難民も多い

レバノンに住むシリア難民の半分は学校に通っていない
未来に希望を持てず、生き甲斐も見つけられない子供たちは急進派に飲み込まれる可能性がある
家族・家を失うトラウマ、ストレス、怒りを経験している
戦闘員になることを自ら望んでしまう、戦うことで復讐しようと考えるようになる

国際社会:支援はするから国際的な問題にするな、偽善的では?

パレスチナ難民は世界最多
470万人以上がガザ地区とヨルダン川西岸地区に住む
そこに住むパレスチナ人は分離壁や検問所で自由を制限されている

若い世代の問題は分離壁のない時代を知らないこと
本当のイスラエル人を知らない
本当のパレスチナ人を知らない
子供の頃から互いの固定観念を吹き込まれて育っている

崩壊に向かう第三世界の暮らし
電力の供給ない
基本的なニーズが満たされていない

ガザは世界に忘れられた
紛争を誰も気にかけない
国境を開けてくれない、監獄
世界を回ってガザに戻ってきたい、ガザが嫌いなわけではなく好きな時に出入りしたいだけ

ケニア
サハラ砂漠より南の地域で世界の難民の約26%を保護
ダダーブ難民キャンプは世界最大級規模の難民キャンプ、内戦や飢餓から逃れてきた50万人を保護してきた

Wella Kouyou(UNHCR kenya, deputy representative )
難民の数が増えているが、支えるリソースが減っている
ヨーロッパ諸国の関心はシリアに集中
アフリカの難民も増えている
保護が追いつかない
“Ai weiwei stand with refugees”

気候変動で2億5000万人のアフリカ人が、干ばつ、飢餓、病気に苦しむことになるだろう
2050年までにアフリカの人口は今の2倍の25億人になると言われている

パキスタン
300万人の難民を保護(40年間)
現在は帰還を促している
パキスタン、ガニ大統領「帰還して国の再建に貢献して欲しい」
少量の食事と水を与えられてパキスタンを出る

アフガニスタン
イギリス、ソ連、アメリカの侵攻や国内紛争のため、国内の情勢が不安定
生まれ育った故郷が紛争で破壊され、自宅に帰れない人もいる
祖国に帰ってきたのに結局難民状態
少なくとも市民であるのに、、

パキスタンに避難していた人々は30〜40年ぶりの帰還
故郷に知り合いもいないので、祖先の土地だと主張できない

ドイツ ベルリン
ドイツを目指す難民が最も多く、2015〜2016で120万人が庇護申請をした

ドイツの難民キャンプ:日本の避難所のよう
食料やシャワーなどは解決できる
大切なのは自尊心を持ち続けてもらうこと
「難民」としてではなく、「1人の人間」として接する

暮らしに退屈している

フランス パリ
庇護申請を出すために3回も不法に国境を越えるのは難しい
死の危険と隣り合わせ
祖国にいた時はヨーロッパは民主的で、自由と聞いていた、人間として尊重されると聞いていた

フランス カレー
Calais
イギリスへの入国を望んで、フランス・カレーの難民キャンプ、ジャングルで過ごしていた

Ioannis Mouzalas(migration minister, Greece )
①ヨーロッパが団結して進むこと
忍耐強く人権尊重の信念で差別や外国人排除に対抗
②排他主義のヨーロッパ
理想のヨーロッパではない
 ②を選んだら何も解決しない


The union is founded on the indivisible, universal values of human dignity, freedom, equality and solidarity
(charter of fundamental rights of the European Union, 2000)

イラク
多国籍軍のイラク侵攻後に出現したISが2014年にモスルを占拠、50万人が難民となった
2016年10月:イラク軍とクルド人部隊はモスル奪還を計画
ISら退去前、モスルの油断に放火→30万人が避難を余儀なくされた

映画のCGを見ているような激しい燃え方
火が消し止められてもそこで新たに生活することはできないだろう

病院でもISのメンバーしか見てもらえない
女性は顔を隠して外出しないと逮捕される

地中海
2016年:5000人以上の難民が地中海で溺死
どんどんおろしてもキリがないくらい乗っている、700人以上が一つのボートに乗っている
健康状態が悪い(ビタミンC欠乏症など)
ボートに乗るために全財産を差し出している
妊娠している女性も
命懸けで祖国を出て海を渡ってくる

メキシコ-アメリカ国境
Every America who ever lived, with the exception of one group, was either an immigrant himself or a descendant of immigrants. (John.F. Kennedy, the 35th president of the US 1917-1963)

貧しい人はどんどん増えている
一握りの富裕層が経済や社会を支配しているから
この仕組みがある限り移民は減らない
国の格差が広まる一方
より良い人生や質の高い暮らし、子どもの教育や社会保障を求めるのは人間の権利、だから移住を求める

国境を越える人が加速的に増えている
SNSや昔より簡単に他のところへ行けるようになったことが理由の一つ
国際化が進んだ結果、不平等な社会へ
安全な暮らしが保障されず経済的にも恵まれない地域から、安定していて繁栄を享受できる場所へ
(Dr. Kemal Kirisci, senior fellow, brooking Institution)

世界が小さくなりつつある
宗教や文化の違いを乗り越え、共存する道を模索しなくてはならない

宇宙から見た世界は一つ
人類は一つの国に住む兄弟
シリア人もインド人もアメリカ人もシリア人も、この美しき星で共に生きている
1人操ったり殺したりしてはいけない
(Mohammad Fares, Former Syrian Astronaut)


授業の課題で視聴。
難民問題に関しては勉強してきたつもりだったけど、ここまで現実を突きつけられたのは初めてだった。どんなに詳細なデータを知ったとしても、どんなに長いレポートを書いたとしても、実際は目を背けたくなるような現実を自分の目で見ることでしか学べないことがあった。
この作品では borderが一つのキーワードになっている。宇宙から見れば地球は一つの星なはずなのに、たった一本線が引かれただけでそこは別の場所になってしまうことを実感させられた。島国日本で育った私には国境を跨ぐという感覚があまりないけど、命懸けで国境を超える人が世界にいることを知らなくてはいけないと感じた。私よりも遥かに年下の子供達がぎゅうぎゅうのボートに乗っている姿は見るのが辛かった。漂流先で無邪気に過ごしているのはもっと見ていられなかった。この先長い難民生活が待ち受けていることをあの子達はどこまで理解できているんだろう。
あと大事なフレーズが、「難民たちはヨーロッパに行きたいわけではない。1番望んでいることは故郷に帰ること。」だと思う。祖国を逃れるしかなかった人たちが、受け入れたくないと思っている人々のいる場所にいくしかないってすごい絶望した。
難民は海を漂流するだけじゃなくて、人生も漂流しているって意味で、Human Flowっていう題名をつけたんだと個人的には解釈した。
先進国でくらして、何不自由なく毎日生きていられる私ができることはこの現実を知ること。難民に関して無関心な日本人こそ見るべき作品だと思う。
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