みーちゃん

バッド・ジーニアス 危険な天才たちのみーちゃんのレビュー・感想・評価

3.7
娘と鑑賞。タイの映画。スタイリッシュで、面白いし、背景にある深刻な教育や格差の描き方が、なかなか野心的だと思う。

事の善悪はともかく、途中までは、彼らのWin-Winな関係と、頭脳だけで生き抜くリンの快進撃が気持ち良くて、このまま"対等な関係"が実現するのか?とも思ったが、そんなはずはなく、ゴミの島事件で根底から崩壊させたのは見事だった。

その上で、私は、どうしてもラストのモヤモヤが消えない。リンはバンクの誘いを断った後、単独で真相を暴露したのかな?道義的には、二人で一緒に告発するか、せめて最低限バンクの合意は得るべきだと思う。でないと、彼は散々巻き込まれた挙句、また制裁を受けることになってしまう。

リンは学力だけでなく、生き抜く賢さや、家族の理解もあり、良い時も悪い時も"自分で決める"ことができているが、バカ正直で、要領も巡り合わせも悪いバンクに救いは?

かなりシビアなメッセージだと思うので、バンクを通して伝えたいことを、ナタウット・プーンピリヤ監督に聞きたい。